Grouper - Ruins
1曲目を聞いたときにはイイと思った。
遠くから聞こえるようなピアノ、囁くような声。
日当たりの悪い、ひんやりとした部屋を思わせる楽曲。
サティを聞いたときとそっくりな感触だ。
歌詞は不明だが恐らく幸福や充足感をうたってはいないだろう。しかし渇望もない。不幸でも幸福でもないあるがままを夢うつつでつぶやいているかのように思える。
LP時代ではないのが惜しいのは、このジャケットが実によくこの作品を一目で表現しているからだ。
が、問題はそのあとだ。
続くどの曲もあまりにも似通い過ぎている。
というよりも全部同じ曲にしか聞こえない。
ブルースによってそのようなシチュエーションには耐性のある俺ですらそう思うのだから、相当なもの。
冒頭の好印象すら忘れてしまうのはかなりヤバイと言わざるをえない。
眠れない夜にはいいのかも知れない。
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