2019年3月19日火曜日

追悼・内田裕也


ゆうべのライブで、「裕也なりたい」という曲を歌った。樹木希林へ抱いた感情と、裕也への憧憬や敬意が混同したラブソングだ。去年の夏、作った。

きっかけはyoutubeで樹木希林がクリエイションをバックにして歌った「ロックンロールバカ?」という外道のカバー曲を聴いたからだ。その曲で、「ブスな嫁さんもらったらオッサン一躍有名人」「ヘタな英語で銭儲け」と外道は歌っている。ブスな嫁さんをもらって、下手な英語で銭儲けするロックンロールバカといえばあの人しかいない。その曲を、「ブスな嫁さん」が歌うのだ。なんていい女だろうと思った。だから、裕也になりたいと思った。

うたう前に、「日本のロックの神のことを」と言った。目が覚めたら本当に神になっていた。でも本当は神なんかにならなくてよかった。人間のままでずっと生きていてほしかった。裕也の凄さというのは、神様や天才のそれではない。むしろあきれかえるほどのむき出しの人間臭さだろう。裕也ほど長い時間をかけてロックとは何かを考え続け、深くロックを信じた人はいなかったと思うが、細野晴臣や矢沢永吉やジョー山中らはそこま長い時間をかけてか考えなくてもよかっただろうし、深く信じなくてもよかっただろう。彼らの才気はそこまで考えなくてもいい。普通にやればそれがロックなのだし、それだけの自信もあったはずだ。だが裕也には彼らの才気がない。だからこそ誰よりも長い時間をかけてロックとは何かを熟慮しなければならなかったし、誰よりもロックを信じなければならなかった。

裕也がロックについて巡らせ、あがいた時間の長さと深さを思えばたまらなくいとおしくなる。裕也になりたい、というのはこのあがいた時間への憧憬をも含んでいる。そしてその時間と精神こそがロックであり、逆説的に裕也が神である証拠なのだ。
 
俺は裕也がいつまでも生きていると思っていた。猪木、ディラン、キース、そして裕也。この4人はどんなヨボヨボになっても、100歳を過ぎてもあたりまえのように続けているのだと信じていた。化け物のように生きていて欲しかった。猪木もここ12年でめっきり老け込んだ、信じられないぐらい。ディランとキースにはずっと生きていてほしい。精神性こそがロックであるという前提が俺から薄れない限り、常に内田裕也は俺の精神的支柱であり、憧憬の対象であり、神としてあり続けることでしょう。


2019年1月2日水曜日

2018 Best Album (新譜)




なんかもう年間ベストの覚書として以外何も機能していない感が強いこのブログ。2018年の新録アルバムはこれ。

なお、表記はアルファベット順。


  1. The Bamboos - Night Time People
  2. The Bones Of J.R.Jones - Ones To Keep Close
  3. Boz Scaggs - Out Of The Blues
  4. Buddy Guy - The Blues Is Alive And Well
  5. Candi Staton - Unstoppable
  6. Cedric Burnside - Benton Country Relic
  7. Charles Bradly - Black Velvet
  8. Chara - Baby Bump
  9. David Crosby - Here If You Listen
  10. Eli Paperboy Reed Meets High & Mighty Brass Band - ST
  11. Gene Jackson - 1963
  12. Leon Bridges - Good Thing
  13. Lucinda Williams - This Sweet Old World
  14. Mighty Mo Rodgers & Baba Sissoko - Griot Blues
  15. Neneh Cherry - Broken Politics
  16. Punch Brothers - All Ashore
  17. Superorganism - ST
  18. Walter Wolfman Washington - My Future Is My Past
  19. Willie Hightower - Out Of Blue
  20. 岡林信康 - 森羅十二象
NIGHT TIME PEOPLE
①はオーストラリアのディープファンクバンド。軽めのサウンドだが、心地よくてよく聴いていた。モータウン調の2曲目は特に今年よく聴いた1曲。

Ones to Keep Close
②はアメリカのオルタナカントリー。南部臭が最高。実際はニューヨークらしいが。

Out of the Blues
③のボズは例によってのブルーズンソウル路線。ヘビロテしなかったわけがなく。

ザ・ブルース・イズ・アライヴ・アンド・ウェル
④のバディだが、ここ20年ぐらいのバディでは最も聴いている。コブラ時代以降ではベスト…ではないかもしれないが、それぐらいの愛聴盤。

Unstoppable
⑤のステイトンは正統派ソウル路線の1枚。前作が情けない打ち込みの曲なども収録されて散漫な印象が強かったからか、今回は芯がしっかりしている印象。パティ・スミスのカバーなども違和感なく歌いこなすのは流石。

Benton County Relic
⑥はRLバーンサイドの息子。恐ろしいぐらい父親と同じ。ドロドロ、グダグダのブルース。最高。

BLACK VELVET [CD]
⑦のチャールズ・ブラッドリーは貫禄の1枚。毎回外れなし! 現役ソウルシンガー最高峰か。今年はリー・フィールズの新作にも期待。

Baby Bump
⑧のチャラはこの並びでは異色に見えるが、逆に言えばそれぐらいよかったということ。ソウル路線。

HERE IF YOU LISTEN
⑨のデビッド・クロスビーについては、今年出たベテラン(おじいちゃん?)のSSW新譜ではこれ。

Eli Paperboy Reed Meets High &
⑩のペーパーボーイはニューオリンズのブラスバンドと組んだ一枚。実にパワフルでハイテンションな出来で、この人の作品では一番聴いているかも。とにかくボルテージが凄い。

1963
⑪まったく知らなかったマイナーなソウル・シンガー。普通のソウルを普通にやっているのだが、その普通さが2018年には幸福なのよね。

GOOD THING [CD]
⑫のレオン・ブリッジスだが、鳴り物入りでのデビュー作だった前作を聴いて大したことないと舐めていたが大きな間違い。グレイト。

This Sweet Old World
⑬のルシンダは、相変わらずの高水準の出来。今回は特によかった。

Griot Blues
⑭はベテランブルースマンとマリのミュージシャンとのコラポ。テーマはアフリカ。ジャズなんかでは珍しくないアプローチだが、ブルースではあまりないな、考えてみれば。野心作にして実にカッコいい一枚。

Broken Politics [解説・歌詞対訳 / ボーナストラック収録 / 国内盤] (TRCP235)
⑮のニナ・チェリーは、ジョージア・アン・マルドロウとどちらにしようか迷ったが、僅差でこちら。理由は聞いた回数。

All Ashore
⑯のパンチ・ブラザーズも外れがないなあ。いつも素晴らしいアルバムを出してくれる。現行アメリカーナでは最高峰ではないだろうか。youtubeで見たライブ映像のクオリティと緊張感も凄かった。

Superorganism
⑰は多国籍バンド、スーパーオーガニズムのファーストアルバム。最初、youtubeでスタジオライブの映像を見たときはぶっとんだ。チャラ同様、これも主な俺の路線とはズレている気がするがやはりそれだけ凄いのだ。インパクトという点では今年のナンバーワンはこれか。

My Future Is My Past
⑱のウォルター・ウルフマンは、そういえばいたな…ぐらいの認識だったが作品を聴いてそんなこと言ってる場合じゃないと訂正。良質なニューオリンズ・ブルーズンソウルが凝縮された一枚。

Out of the Blue
⑲はソウル・ファンを驚愕させたウィリー・ハイタワー、数十年ぶりの復帰作。正直、昨年のドン・ブライアントのほうが驚きはあったかな。ハイタワーがライブ活動を再開したのは知っていたからね。それでも外せない、外すわけにはいかない。

森羅十二象
⑳の岡林は矢野顕子やサンボマスター、山下洋輔などとのコラポによる往年の楽曲のリメイク盤。2018年最後の最後に聴いたのだが、脱帽。

迷って選ばなかったのがアナーキー、エルヴィン・ビショップ、ジョン・クリアリー、ネイサン・ラティーフ、シリータ・ジョンソン、ゴー!チーム、ブリーダーズ、タイニー・レッグ・ティム。
聴いた回数は多かったが、前作に比べると及ばない気がしてどうしてもベストに選出する気になれなかったのがエズラ・ファーマン、スティーブ・フォーバート、RLボイス、ウィスキー・ムーンフェイスなど。
ビッグネームのベテランではニール・ヤングやヴァン・モリソン、ポールなどは良くも悪くも期待に違わぬ出来だったゆえ、だからこそ次作も同じクオリティのものが確実に出るのだろうというミョーな安心感が生じ、余り聴かなかったため選出せず。















2018ベスト(リイシュー、編集、発掘編)




  1. Alex Brown - In Search Of Love
  2. Billy Jones - Billy Jones On Black And Tan, Vol. 1、2
  3. Bob Dylan - Live 1962-1966 Rare Pefromances From The Copyright Collections
  4. Four Tops - Complete ABC/Dunhill Singles
  5. Jimi Hendrix - Both Sides of the Sky 
  6. Lil' Bob & The Lollipops - Sweet Soul Swinger & The Jin Singles
  7. Neil Young - Roxy- Tonight's The Night Live
  8. Otis Redding - Dock Of The Bay Sessions
  9. The Street Sliders - Singles
  10. VA - Classic Gospel 1951-1960
  11. VA - Cover Me Eddie Hinton Songbook
  12. VA - Eccentric Soul: The Saru Label
  13. VA - STAX Singles 4
  14. あがた森魚 - ピロスマニア海へ行く
  15. ザ・たこさん - 名曲アルバム
表記はアルファベット順。

とにかくリイシューも発掘も全般的に低調だった1年。今年はそんなに迷わなかったよ。
ブルースやソウルに関しては質も量もここ数年で一番低調だったのではないだろうか。まあネタ切れといえばそこまでなんだけど。特にKENTの低調ぶりがひどい。あんなにいいCD出しまくってたのに。

In Search of Love
①に関してはそんなソウル再発の中で待望の1枚。内容も期待にそぐわぬ出来だ。なぜこれがリアルタイムで正式発売されなかったのか疑問。今年のソウル再発ならこれ。

The Billy Jones Band | Funky Blues & Southern Soul, Vol. 1
②はソウル色の強いブルースマンのベスト盤。今まで知らなかったけど、かなり強力。

Live 1962-1966 - Rare Performances from the Copyright Collections (Japan Version)
ディランはブートレグシリーズではなく、初期ライブをコンパイルした③を選択。とにかく刺さる。ちなみに、血の轍のセッションに関してはブートで持ってる1枚もので十分という結論。

THE COMPLETE ABC/DUNHILL SINGLES (2-CD SET)
④のフォートップスだが、今年は個人的にフォートップス再評価の1年でもあった。特にモータウンを離れてからが凄い! ABCダンヒル時代のアルバム8枚(だっけ)が3000円ぐらいで出ないもんかと思っている今日このごろ。2019年はぜひ。

BOTH SIDES OF THE SKY
⑤のジミヘン発掘音源集。今年出たジミヘンの再発発掘ならELL50周年よりこれ。

Sweet Soul Swinger & The Jin Singles
⑥はルイジアナのソウルシンガー。全盛期の音源をまとめたもの。

Roxy: Tonight's The Night Live
⑦ニール・ヤングの過去ライブ発掘音源は今年2枚出たが、くりかえし聴いたのはこっち。

ドック・オブ・ザ・ベイ・セッションズ
⑧はよく聞いたからこその選出だが、正直なんでこれなのかという感もあり。別に蔵出し曲が入ってるわけでもないからね。今年の再発・発掘が豊饒なら選ばなかったかもだが、やっぱオーティスは凄いと再認識させた一枚なのは事実。

The SingleS
⑨はスライダースの3枚組ベスト。活動再開以降はまったく興味や関心がなかったためやはり1枚目に尽きるかと思っていたが、その時期も非常に優れていたことを確認。

CLASSIC GOSPEL 1951-60
⑩はアクロバットから出たテキサス・ゴスペルのコンピレーション。質、レア度含めて最高。ピーコック音源。

COVER ME ~ THE EDDIE HINTON SONGBOOK(IMPORT)
⑪はエディ・ヒントンのソングブック。ビッグネームとオブスキュアなアーティストのバランスもよい。ジェリー・ウェクスラーが栄光なき天才という意味の評し方をしたヒントンの才能が堪能できる。それでもってあの声だったのになんでセールス的にダメだったんだろう。

Eccentric Soul: The Saru Label
⑫はオハイオのローカルレーベルに残されたオブスキュアな楽曲をコンパイルした一枚。ソウル・ファンにはたまらない。

Stax Singles, Vol. 4: Rarities & The Best Of The Rest
⑬は黒・赤・青と続いたSTAXシングル集の第4弾。まさかもう続きなんかないと思っていた2018年に唐突の発売。Best Of The Restというサブタイトル通り、ロックとゴスペルが目立ち、アザー・サイド・オブ・スタックスという趣の6枚組。

ピロスマニア海へ行く
⑭は、ユニバーサルから邦楽ロック1000円シリーズで出た中から選んだ。外道とかエンケンとか買ったが、最も聴いたのはこれ。同時に出たあがたの永遠の遠国とどちらにしようか迷ったが、遠国が予想通りだったのに対しピロスマニアは予想以上だったので、その意外性によって選出。

名曲アルバム~ザ・たこさん傑作選~
⑮のザ・たこさんは大阪のファンクバンド。ぶっ飛びました。今年の1位。ダントツ。

ちなみに、選ばなかったビートルズ関係の再発は結局、普通の音源が一番という結論に達したのみ。発掘音源もとっくの昔にさんざんブートで聴いてるしね。
2019年はもっといい音楽ライフにしてくれることを望む。












2025年再発&編集アルバムベスト

B ob Dylan - Through The Open Window: The Bootleg Series Vol. 18 Chance Operation - Place Kick Dead Famous People - Wild Young Ways Doc Pomu...