2015年ベスト=リイシュー・発掘編
- B.B. King - Here's One You Didn't Know About From The RPM & Kent Vaults
- Don Covay - Rockin' & Doowopin'
- Jerry Williams - Gone
- Johnny Adams - I Won't Cry 1959-1964
- Neil Young - Bluenote Café
- No More - A Rose Is a Rose
- Roger Hutcher - R&B Better
- VA - Avco Soul Empathy
- VA - Don't Fight It, Feel It Gems From The Sar Vaults 1959-1962
- VA - Ork Records New York, New York
①はそんなACEのいい仕事。追悼ということで編まれた普通のベストなんだろう、などと高をくくっていた自分が浅はかだった。なんと驚くRPM/ケント時代の未発表マテリアルを集めたもの。どの曲もお蔵入りになっていたのが不思議な出来で、毛穴が思わず開いてしまったほど。これは凄い!
②はここ数年、ソウルやオールディーズのファンなら要チェックのジャスミンが編んだ、ドン・コヴェイのアトランティック以前のロッキン・ドゥーワップなマテリアルを収録したもの。ブルース・アンド・ソウル・レコーズに鈴木啓志サンによる追悼記事が寄稿されたが、コヴェイのアルバム未収録曲の数は数十曲にのぼるという。50年代からのそうしたNot Onの楽曲をKENTあたりでシリーズ化して網羅してほしいと夢想していたが、ジャスミンがやってしまった。ノリノリでカッコいい曲ばかり。まだまだ残っているので今後にも期待。 ジャスミンからは同時期に出たジョー・テックスの初期レコーディング集もよく聴いた。
③は以前取り上げたので割愛。
④はACEからのジョニー・アダムス初期レコーディング集。以前も同様の編集版が出ていたが、音質やボリューム共にグレードアップ。ジョニー・アダムスのほか、ACEからはRIC/RON関係のリイシューがいくつか出ていたが、いずれもよかった。
⑤はニール・ヤングのライブ・アーカイブシリーズでも出色。今年出た新譜は、ジェームス・テイラーやリッキー・リーらと共に、悪くはないけれども聴かないだろうなという良くも悪くも予想どおりの出来だったが、こちらはよく聴いている。ボトムの効いたリズムセクションとソウルフルなホーンセクションのプレイがカッコいい。
⑥はドイツのポストパンクバンド。実は今年はDAFなんかもよく聴いたが、このアルバムもその一環? として聴いた。陰気でジワジワとしてカッコいい。
⑦はディスクユニオン傘下のKTIレーベルからのリイシュー。隠れ名盤に恥じない充実した内容。それにしても、昨年末から今年の春先まで順調にかっとばしてくれたのに今はサッパリのような。
⑧はビクターからのリリース。今年は国内盤のソウル編集盤の数が少なく面白くなかったが、これは内容・レア度ともに秀逸。ディープ、スウィートともにグレイト。文句があるのは値段だけかな。ウルトラヴァイブから出たブランズウィック/ダカーのコンピもよかった。
⑨はONEDAYからの廉価版。以前アブコから出たボックスセットにも収録されていない曲が収められているなど、廉価だからとあなどれないのがONEDAY/NOTNOWのすごさ。もちろん、サム・クック印のお墨付きだから内容も◎。
⑩はニューヨークパンクのコンピレーション。テレビジョンやリチャード・ヘル、アレックス・チルトンなど中高生時代のヒーローがズラリ。リチャード・ロイドのオーク音源ははじめて聴いたが、えらくカッコいい。特にフィーリーズのシングル音源が凄い。彼らのファーストは名盤だとつくづく思っているけれど、頭をガツンとやられた衝撃ならオーク音源が上。18,9で聴いていたら音楽観変わっていたかも。
考えてみたらKENTからの再発が1枚もないんだな。うーむ。ACEもニューオリンズものは充実していたが。ピケットのRCA時代の作品をコンパイルした2枚組は、なぜかピケットの声がウザく感じる時期(定期的に訪れる)なので除外。
ストーンズのスティッキーやディランのブートレグシリーズなどは、悪くはないがそれほどくりかえして聴いたわけでもないから除外。
国内のリイシューは低調。1000円シリーズがショボくなったからなあ。ファンクとブルースのは何枚か買ったが。名盤探検隊もボビー・キーズぐらいしか買わなかった。
それにしてもパンク系統をこういうのに選出する日がまた訪れるとは思わなかった。来年こそソウル関係のグッドなリイシューがバンバン出まくってくれることを切に望む。
次回はワースト。
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